ARXIADENTAL GROWTH OS
KPI運用|口腔機能管理料 算定要件チェックリスト【2026改定】

口腔機能管理料の算定要件チェックリスト【2026年改定】口機能1・2から実地指導料まで

2026年6月改定で再編された口腔機能管理料(口機能1=90点/口機能2=50点)と口腔機能実地指導料(46点)の算定要件を、チェックリスト形式で整理した実務記事です。対象患者の診断、検査5種のいずれか実施、小児の該当項目数判定、研修修了DHの配置や処遇改善の明文化といった施設基準、C001-7・歯科口腔リハビリテーション料3との併算定制限まで、返戻を防ぎながら算定機会を取り切るための確認項目をまとめています。

  • 歯管が100点から90点に引き下げられたため、口腔機能管理料を併算定しない医院は改定で実質減収になります。
  • 口機能1(90点)は口腔機能低下症の診断+5種の検査のいずれか1つ以上の実施が要件。機器は1種類で足ります。
  • 口機能2(50点)は検査未実施でも算定でき、検査機器がない医院の現実的な入口です。
  • 小児は該当3項目以上で小機能1、2項目で小機能2。病名ありで歯管のみ算定の「算定漏れ」が業界全体で指摘されています。
  • 口腔機能実地指導料(46点)には研修修了DH配置・文書提供・処遇改善の施設基準があり、経過措置は2027年5月31日までです。

なぜ「算定できるか」の確認が2026年6月改定の最優先事項なのか

2026年(令和8年)6月の歯科診療報酬改定で、口腔機能管理料は検査を実施した患者向けの口機能1(90点)と、検査未実施でも算定できる口機能2(50点)の2段階に再編されました。同時に、歯科疾患管理料(歯管)は100点から90点へ引き下げられています(出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定・2026年3月5日告示)。つまり、口腔機能管理料を併算定しない医院は改定によって実質的な減収になる構造です。「算定するかどうか」は選択の問題ではなく、経営上の分岐点になっています。

2026年改定前後の点数比較図(歯管・口腔機能管理料・実地指導料)
改定前後の点数比較:歯管+口腔機能管理のフルセット(出典: 厚生労働省 令和8年度診療報酬改定・2026年3月5日告示)

幸い、口腔機能管理料そのものの施設基準は廃止され、算定の入口はほぼすべての歯科診療所に開かれました。残る問いはひとつ、「自院は要件を満たせているか」です。本記事では、口機能1・口機能2・小児(小機能1・2)・口腔機能実地指導料のそれぞれについて、算定要件をチェックリスト形式で確認できるよう整理しました。院内勉強会やレセプト担当者との読み合わせにそのまま使える構成にしています。

なお、点数と要件は厚生労働省の告示・概要資料で確認できる範囲を基に整理しています。個別のケース判断は今後発出される疑義解釈や、審査支払機関の取り扱いで変わる可能性があるため、最終確認は必ず一次資料と地域の審査情報に当たってください。改定全体の俯瞰は2026改定の全体像を、収益面の試算は口腔機能管理料の算定シミュレーションをあわせてご覧ください。

口機能1(90点)の算定要件チェックリスト

口機能1は、口腔機能低下症の患者に対して検査を実施した場合に算定する区分です。チェックすべき項目は次のとおりです。

  • □ 対象患者の診断:口腔機能低下症の診断がカルテ・病名登録上明確になっているか。
  • □ 検査の実施:口腔細菌定量検査・咀嚼能力検査・咬合圧検査・口腔粘膜湿潤度検査・舌圧検査のいずれか1つ以上を実施しているか(出典:厚生労働省告示・概要【歯科】)。
  • □ 検査結果の記録:実施した検査の結果がカルテに記載され、管理方針に反映されているか。
  • □ 継続管理の体制:月次の管理として、来院時に管理内容を記録・説明する運用が回っているか。

検査機器は5種類すべてを揃える必要はなく、いずれか1つで要件を満たします。舌圧計など比較的導入しやすい機器から始める医院が多く、機器選定は回収期間を試算してから決めるのが定石です。検査を実施できる体制が整うまでは、次の口機能2から入るルートが現実的です。

口機能2(50点)の算定要件チェックリスト

口機能2は検査未実施でも算定できる区分で、今回の改定で新設された「入口」です。検査機器を持たない医院でも、以下を満たせば算定を始められます。

口機能1と口機能2の算定要件比較表
口機能1(90点)と口機能2(50点)の算定要件比較(出典: 厚生労働省告示・概要【歯科】)
  • □ 対象患者の診断:口機能1と同様、口腔機能低下症の診断が明確であるか。
  • □ 管理の実施と記録:口腔機能の管理を行い、その内容をカルテに記録しているか。
  • □ 患者への説明:管理の内容・目的を患者(または家族)に説明し、理解を得ているか。

経営的には、口機能2は「検査機器がないから算定を諦める」を解消するための区分です。歯管90点+口機能2(50点)+後述の実地指導料(46点)まで組み合わせられれば、改定前のフルセット(歯管100点+口腔機能管理60点=160点)を上回る186点になります。まず口機能2で月次管理の運用を確立し、機器導入後に口機能1へ移行する二段構えが、多くの医院にとって現実的な道筋です。詳しい増収試算は診療形態別の収益インパクト試算で解説しています。

小児(口腔機能発達不全症):小機能1・小機能2の判定チェック

小児領域も同じ構造で、小機能1(90点)・小機能2(50点)の2区分に再編されました。判定は該当項目数で行います。

口腔機能発達不全症の病名患者数と小児口腔機能管理料算定件数の比較
病名登録数と算定件数のギャップ(NDBデータ 令和5年5月時点)(出典: 東京歯科保険医新聞 第672号・2026年3月1日)
  • □ 小機能1(90点):口腔機能発達不全症の評価項目に3項目以上該当しているか。
  • □ 小機能2(50点):評価項目に2項目該当しているか。
  • □ 病名と算定の対応:口腔機能発達不全症の病名がついている患者で、歯管のみの算定になっていないか。

最後の項目は特に重要です。NDBデータ(令和5年5月時点)では、口腔機能発達不全症の病名がありながら歯管のみ算定されているケースが約13万件に対し、小児口腔機能管理料の算定は約7,000件にとどまると指摘されています(出典:東京歯科保険医新聞 第672号・2026年3月1日)。病名リストと算定実績を突き合わせるだけで、算定漏れが見つかる医院は少なくないはずです。

口腔機能実地指導料(46点)の施設基準チェックリスト

従来は歯科衛生実地指導料の加算(12点)だった口腔機能指導が、独立した口腔機能実地指導料(46点・月1回)に格上げされました。ただし、こちらには施設基準があります。研修の探し方から経過措置(2027年5月31日)の逆算スケジュールまでは口腔機能実地指導料(46点)完全ガイドで解説しています。体制面のチェック項目は次のとおりです。

  • □ 研修修了DHの配置:口腔機能発達不全症・口腔機能低下症の実地指導に係る「適切な研修」を修了した歯科衛生士が1名以上配置されているか。研修は歯科医師・歯科衛生士を主体とする団体や学会等が主催し、概要・検査法・訓練法・実地指導方法(在宅対応含む)を扱うものを指します。
  • □ 修了証跡の保管:研修修了証のコピーを院内に保管しているか。
  • □ 指示・指導・文書提供の流れ:歯科医師の指示のもと歯科衛生士が指導を行い、指導内容を文書で患者に提供しているか。提供日・内容・患者控えの保管ルールがあるか。
  • □ 処遇改善の取組:指導を行う歯科衛生士の処遇改善に係る取組が、就業規則・賃金規程等で明文化されているか(施設基準)。
  • □ 経過措置の期限管理:施設基準には2027年5月31日までの経過措置があります。期限から逆算した研修受講・規程整備のスケジュールを引いているか。

返戻・査定を防ぐ併算定チェック

要件を満たしていても、併算定の制限を見落とすと返戻につながります。レセプト点検では最低限、次の2点を毎月確認してください。

  • □ C001-7との併算定不可:在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料(C001-7)を算定した月は、口腔機能実地指導料を算定できません。在宅・訪問診療の多い医院は、月初の患者管理で振り分けを明確にしておく必要があります。
  • □ 歯科口腔リハビリテーション料3との重複:同日算定で指導・訓練の内容が重複する場合は算定できません。レセコンの同日チェックロジックを改定内容に合わせて更新しておくと安全です。

チェックリストを月次運用に組み込む

算定要件の確認は一度きりの作業ではなく、月次の運用に載せてはじめて収益になります。ARXIAでは、改定対応を「体制整備 → 算定開始 → KPIモニタリング」の3段階で設計することを推奨しています。具体的には、月次会議で「口腔機能管理料の算定率」「実地指導料の算定率」「リコール率」の3指標を追い、算定漏れを翌月に持ち越さない仕組みを作ります。

体制整備の優先順位づけや患者数別の増収規模は、口腔機能管理料の算定シミュレーションで詳しく解説しています。自院の診療形態でどこまで増収余地があるかを知りたい場合は、診療形態別の収益インパクト試算とあわせてご活用ください。

よくある質問

どちらも口腔機能低下症の患者への管理を評価する点数ですが、口機能1(90点)は口腔細菌定量検査・咀嚼能力検査・咬合圧検査・口腔粘膜湿潤度検査・舌圧検査のいずれか1つ以上を実施した場合、口機能2(50点)は検査未実施でも算定できます(出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定)。検査機器がない医院はまず口機能2から始め、機器導入後に口機能1へ移行する二段構えが現実的です。
2026年6月改定で口腔機能管理料自体の施設基準は廃止され、ほぼすべての歯科診療所で算定可能になりました。ただし口腔機能実地指導料(46点)には、研修を修了した歯科衛生士の配置や処遇改善の取組などの施設基準が別途設けられており、2027年5月31日までの経過措置期間内に体制を整える必要があります。
在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料(C001-7)を算定した月は併算定できません。また、歯科口腔リハビリテーション料3と指導・訓練内容が重複する場合も算定不可です。加えて、歯科医師の指示・歯科衛生士による指導・文書提供という流れのいずれかが欠けている場合や、文書提供の証跡が残っていない場合は返戻リスクがあります。
口腔機能発達不全症の評価項目に3項目以上該当すれば小機能1(90点)、2項目該当なら小機能2(50点)です。NDBデータでは病名がついていながら歯管のみ算定のケースが約13万件と指摘されており、病名リストと算定実績の突き合わせで算定漏れが見つかる医院は少なくありません。

参考資料

  1. 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省・告示第69号ほか)
  2. 東京歯科保険医新聞 第672号(2026年3月1日・東京歯科保険医協会)
  3. 2026年6月「口腔機能管理料」再編を収益に変える実務ガイド――口機能1・2の算定シミュレーション完全版
  4. 2026改定の収益インパクト試算|診療形態別
  5. 歯科 診療報酬改定 2026 完全ガイド

初回60分の壁打ちは無料。打ち手の優先順位だけでも、その場で持ち帰れます。

20 の質問に答えるだけ。AI が自由記述まで読み込み、自費率・新患数・組織課題など、あなたの院専用の改善レポートメールでお送りします。

完全無料 / 所要 5-10 分 / 登録不要

「現場介入型」と「仕組み構築型」、価格・契約期間・契約終了後に残るものの違いをガイドにまとめました。